何年経っても、何十年経っても忘れずに引きずっていること。
思い出したくもないのに襲ってくる感情や映像。
『また思い出してしまった。』『早く忘れなきゃいけない。』と思っていませんか?
私はずっとずっとそうでした。
年齢を重ねても薄くなることのない過去の辛い映像や声や感情。
思い出すたびに苦しく、『過去を消したい。』と思ってきました。
その光景から目を反らしたくても浮かんでくる苦しみ。
『この記憶が無くならない限り、一生苦しむのだろう。』と思っていました。
過去の事実は変えることはできません。
しかし向き合い方ならいつでも変えられます。
それまでの私はいつも『目を背ける』ことを目標にしていました。
何か別のことを考えて忘れようとしたり、楽しいことをしようと思って頑張っていました。
しかし結局何をしても、苦しい時はそのこと以外頭に入ってこないのです。
失恋した時など同じ状況になる人も多いかと思います。
たまに一瞬忘れられたとしても、またすぐに戻ってきてしまいなかなか楽になれません。
本日は、特に子どもの頃に経験した、癒えていない苦しみから少し楽になれた方法をご紹介します。
こちらは特に幼少期の辛かった出来事に対してやることが多く、最近起きた嫌な経験や、その日のうちにできるだけ消化する方法はまた別でご紹介していきますね。
記憶がよみがえる度に、インナーチャイルドを癒す
子ども時代の記憶は、その時の映像が、その時の感情と共に湧き上がってくることが多いと思います。
一度で癒していくのはむずかしいかもしれませんが、思い出してしまった時だけでも良いので、段階を踏んで徐々に浄化させていきます。
STEP 1.昔の映像が浮かんできたら、その中に、当時と今の自分を映し出します
(例)・泣いている幼い頃の自分
・呼んでも叫んでも、ひとりぼっちでどうしようもできない自分
・わかってもらえなくて悔しい気持ちでいる自分
・居場所がない自分
STEP 2.そこにいる過去の自分に、今の自分が行ってあげます
そしてその時の自分がしてもらいたかったように、今の自分がしてあげましょう
大人になった今なら、わかっていることも増えているはずです。
寛容なこころでその当時の自分に寄り添ってあげます。
当時の感情を理解できるのは自分だけです。
自分がしてもらいたかったように、今の自分がしてあげるのです。
・「辛いよね。」「悲しいよね。」と声をかけてあげる
・抱きしめる
・何も言わずただ側にいてあげる
・泣きたいだけ泣かせてあげる
など、それぞれの方法で構いません。
ただただ、その時のもうひとりの自分を認めてあげましょう。
そして可能なら、今だからわかることも伝えてあげるのもいいかもしれません。
私の場合は
「辛いよね。でもあなたは悪くないんだよ。◯◯さんも、辛かったのかもしれないよ。」と声をかけていました。
『他の人の事情なんて関係ない』と思うこともあるかと思うので、これはそれぞれのご判断にお任せしますが、それで許すことができたり楽になれるのであれば、ぜひやってみてください。
個人的にトラウマとなっている出来事のほとんどは、家庭や対人関係なのですが、後になってみるとやはり、そもそもその人たちの育った家庭や人間関係にも複雑な問題があったことがわかりました。
同じように苦しかったのかもしれません。
負の感情は連鎖します。
最初は相手を擁護したり許すつもりも特にありませんでしたが、いつまでも自分だけが被害者でいるのはやめようと思いました。
このことについては“毒親”に関する記事にてまとめていきます。
“また思い出してしまった、全然変わっていない、進んでいない” ではないことに気づく
前述にも書きましたが、思い出したくない過去のことにさいなまれると、「あー、まただ。時間は進んでるのに苦しさの程度は全然変わらない。このまま一生このトラウマと付き合っていかなければいけないなら、早く楽になりたい。」と思っていました。
しかし私たちは、経験を増やしていき日々成長しています。
自分でも気づいていないかもしれませんが、精一杯生きているだけでも本当に凄いことなのです。
このトルネードのように、同じ過去のシーン(下の方)を見たとしても今いる位置はどんどん高くなっています。
進んでいないわけではありません。
『また同じ繰り返し』だと自分を責める必要はありません。
感情や思ったことを紙に書き出す
もうひとつ、どんな感情も紙に書き出してみるのもおすすめです。
その時に出てきた思いや感情は、否定することなくそのまま受け入れてあげましょう。
書き出してみることで、自分でも思いがけない気持ちを知ることもあるかもしれません。
ごちゃごちゃした頭の中を整理することにもつながります。
文字にしてみることで、『あれ?実は意外と気になってはいないのかも。』と客観的に見ることもできるようになります。
心の中で蓋をし続けようとしてきた感情は、押さえつけようとしてもその瞬間は忘れたとしても、尾を引くものです。
幸せになるための第一歩は、どんな自分も否定をしないことだと思います。
『こんな風に思っちゃいけない』『こういうことを考える自分はダメ』とジャッジするのではなく
『そうか、そう思ったんだね』と、まずは一旦受け入れてあげましょう。
気持ちの整理ができて落ち着いてくると・・・
大人になってからもトラウマになるような出来事は沢山経験しましたが、今はふと思い出しても感情に飲み込まれることもなく、ただ映画のワンシーンのように捉えているだけのような感覚になっています。
過去は今存在していない。
当時の自分も今ここにいない。
=と思えるようになり、『ただ過去に起きたこと』という風にしか感じていません。
同じことはきっと二度とやってきません。
ただ、いつかのあの時こういうことがあっただけ。
今の自分はそう感じられるようになっています。
必要に応じて専門家に相談しましょう
ここまで色々と書きましたが、私自身もパニック症の経験や現在も限局性恐怖症を持っており、それがいかに日常生活を苦しめるかも少しは知っているつもりです。
トラウマやフラッシュバックで身体に影響が出ることもありますので、そのような時は無理をしないようにしましょう。
マインド的な精神論だけでは片付かないこともありますので、状況に応じて専門のカウンセリングや心療内科などに相談してください。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)には、EMDRが有効な手法として現在挙げられています。
しかしこの心理療法は、正式な訓練を受けた人のみは実施できる内容となりますので、専門の方による支援を受けるようにしてください。
また、費用の面で迷われている方は、大学の医療系や心理系の学部等でカウンセリングや治療、支援を行っているところもあります。一般的なものより優しい価格設定がされている所が多いので、ご興味ある方は調べてみてください。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。